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船長さんは、コサメとじゃれ愛ながら船の舵をとり前方である東の空を見上げた
空は、晴天で東の空に少々黒い雲があるくらいであった。
「う~ん……」
スカイは、エン達のいるレジャーシートから立ち上がり船長さんの近くまであるくと
「カモメが騒いでいて、風が生ぬるいのが気になりますね」
っと、話しかけた。
「あんた、わかるのかい?」
「なんとなく……」
『なんとなく……ね、そう言うのは、毎日森や海に行ってふれて、観察する習慣をつけなきゃ身に付かないもんなんだが……』
船長は、クックッと含み笑いすると
「あと、一時間くらいで嵐になる。多分風も強いぞ! お前達、帆をたたみな!」
っと、まわりの漁師達に告げた。
船の上が、あわただしくなってきた。
波もだんだんと高くなり、さらには船長さんが行ったとおり雨が急に降ってきて、デッキの床に勢いよく叩きつけた。
船が右にゆれ、左にゆれ……
大きく傾いた時!
ザバンッ!!
「オワッ!」
一人の若者漁師がしぶきごと船から落っこちた!
「ザンテッ!?」
仲間が手を出したが間に合わない。
スカイは、ザンテを追って海に飛び込んだ!
「スカイッ!!」
エンは、柱に絡みつきながら叫んだ!
コサメも、飛ばされないようにエンに必死に張り付いている。
ザバンッ!
ザバンッ!
一段と高い波があり、船が揺れた。
「スカイ……」
エンが、呟く……
「なんだよ」
「!!?」
エンと、漁師、舵を必死でとっていた船長は後方に顔を向け、
「スカイッ!ザンテッ!」
っと、言った。
「エン……俺が魔法使えるの忘れんなよな~」
スカイは、ザンテをお姫様抱っこしていて、床にそっと下ろすと
「俺の部屋から治療用の水色のカバン持ってきて下さいと言った」
ザンテは、とりあえず泳げるため大した水は飲み込んでいなかったためすぐに吐き出してくれた。
「ぐぅッ! 脚が……ッ!」
しかし、海に放り込まれた時に脚を叩きつけたのであろう脚があろう方向に折れ曲がっている。
スカイは、
「左脚の骨がずれてますね……とりあえず寝かせられる清潔なベッドに連れていきます。皆さん手を貸して下さい」
「わかった」
漁師達は、仲間であるザンテを運んで行く。
スカイは、まだ少し揺れている船の足場を気にしながら
「船長さん、なるべく揺れぬよう願います」
っと、言った。
船長は、
「わかった……」
っと、苦笑いした。
船長は、
『無茶苦茶言いおって若造が! しかし、仲間の達じゃ……ここが俺の腕の見せ所じゃ!』
船長は、慎重に舵をとった。
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