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ザンテの脚は、粉砕骨折なのでスカイは、麻酔をしたうえで切開し、骨のずれを直接整復した。それから、骨折部位をはさんだ両側の骨に、ピンを数本打ち込んだ!
骨がバラバラになっているのでこの治療方にした。
後は……
「麻酔がきれたら痛みが出ると思う。エン、アイシングつくっておいてくれ」
っと、スカイは、指示した。
「わかったわ」
エンは、革製の袋にいっぱい氷を入れた。
「う~……」
ザンテが目を覚ました。
「あっ! 目が覚めましたねザンテさん」
スカイは、にっこり笑って声をかけてやった。
「せんせ~、俺のあしぃ~どうなってんの!?」
ザンテは、涙目で訴え訊いた。
「粉砕骨折してたので切開して治しました。後は、この氷をつけて寝ていて下さい。良くなってきたらゆっくりリハビリしていきましょうね」
スカイは、さらりと言っのだがザンテは、図体がデカイわりに血などがダメだったようでエンの持つ盆にのせていた血まみれガーゼを見たとたん気絶してしまった…………
スカイが、治療用に使っていた扉を開けてデッキへ続く階段を上がって行く。
「船長さん! 無事終わりましたよ!」
スカイは、舵をとる船長の横にドカっと座って言った。
「そうか~、ありがとよせんせ~。波も落ち着いてきたしもう安心だ」
船長は、他の者に舵をまかせると自室からウィスキーボトルを片手に持ち
「せんせ~もやるだろう?」
っと、自分も隣にドカっと座った。
船長が並々についだウィスキーをスカイは、
いっきにあおる
「はぁ~、うまい!」
グラスをドンっと置いてスカイが、言った。
「せんせ~いける口だなぁ~」
船長もそれを見てグビグビ飲んだ。
「坊主と娘っ子どもは?」
船長は、そう言えばみたいな顔をして訊いた
スカイは、
「あぁ、ザンテさんを診てます。ザンテさん、見た目のわりに血がダメだったようで、うっかり失神させてしまいましてね……」
スカイは、申し訳なさそうに言った。
「あいつ……あの腕っぷしで力もあるんで船に乗せてるんだが、どうもグロい物がダメらしく魚もさばけね~んですは」
船長は、ヤレヤレと言った感じで応えてくれた。
それから、船長は、今晩はこのまま宴会だなっと言ってまず、自身で大鍋をデッキへと運んで来て、さっきコサメにくれたカニをそこへぶちこみ、あとは、味噌で野菜とグツグツ煮込んで海鮮汁をふるまってくれた。
「酒に、合う!」
スカイも、酔いが良い感じにまわり顔が少し赤らんでいた。
「エン~、なんか歌って~」
スカイは、ただの酔っぱらいオヤジとかした。
「良いわよ~、あんまりうまくないけど……」
エンは、そう言うと船旅がうまくいくようにと、歌いはじめた。
「あ~、良いね~おなごの歌は~、俺も嫁さんに会いたくなったは~」
漁師達は、声を揃えてそれぞれそんな事を言った。
ザバ~ンッ……
ザバ~ンッ……
波は、月夜で穏やかなメロディーを奏でていた…………
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