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 とある春の日の夕方あの子に会った  村から逃げてきたあの子に会った  何か食べるか聞いたら  なんでも食べるとあの子は言った  持っていたドーナツをあげると  ぱくぱく美味しそうに食べた  それからあの子と少しお話した  どんな話だったかもう思い出せないけど  あの子は毎日そこにいた  私は毎日ドーナツを持って行った  ある日あの子がいなくなった  それからしばらく  私はドーナツを食べられなかった  でも  今は普通に食べられる  ぱふぇやくれーぷと同じように  それくらいの思い出  きっとあの子にとってもそれくらいの思い出  ドーナツの穴ごしに空を見た  あの子は天国にいけたかしら
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