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接触
お弁当を食べ終わった後、
私はいつものように机の下から、本を取り出す。
加奈たちはあれから、私と…他のクラスの気に食わない人の悪口を結構な音量でひとしきり話した後、売店に行こうとはしゃぎながら、きゃあきゃあと教室を出て行った。
途端に静かな教室…
どこまでも明るくて、残酷な人達だ…
でもやっと、本当の意味で私は肩の力を抜いて読書に没頭できる…。
教室の人はまばらで…数名の男子たちがスマホをいじりながらゲーム関連の話をしていた。
私は昨日からしおりを挟んでいたページを開き、本の世界へ入り込む…。
ふふ…面白い…
そっか… こういう展開…これは予想しなかったな… ああ… なるほど…
私は小説の展開に、心の中で微笑む…。
「 … … … … 」
ん… ?な… に… 私…呼ばれた…?
「 …ねえ…、ちょっと… 」 …再び、低い声…
今…いいところ…なのに…
「はっ… は……はい…… ?」
読んでいた本から…名残惜し気に目を離すと…
私の目の前には…
さっき加奈たちが噂していた、青木斗真君…が、立っていた…。
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