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キーンコーン…
カーンコーン… … …
帰りのチャイムがなる。
賑やかに話しながら帰りの準備をする生徒たち…。
ついに約束の時間、
放課後になってしまった…。
「おい、斗真…今日、一緒帰ろうぜ!腹減ったし…帰りにロッテリとか寄ってかね?」
荒川君がすかさず、斗真君の肩を背後からわしゃっと組むようにする。
本当にすごい…
荒川君は、いつも動作が本当に荒々しくて、初対面の人は大抵引いてしまって、遠慮して喋ってしまうせいか、すぐに打ち解けることはないのに…
たった3日で…普通に荒川君の方が斗真君を気に入ったみたいだ。…。
斗真君はどう答えるんだろう…
正直に、私と図書館に行くなんて言ってしまわないだろうか…それはかなり困る…
そもそもさっき口止めしておけば良かった…もし、加奈たちに知られでもしたら…何を言われるかわからない…
私はドキドキし始める。
「あ…ごめん、ちょっと今日、少し学校に残るし寄るとこあるから…またでいいか?」
「え?そうなん…そっか…じゃあ、仕方ないな…じゃ、またな?」
そう言って荒川君たちは教室を賑やかに出ていく…
周りを見渡すと、まだ…加奈たちもいた…
やだな…
できれば斗真君と一緒に図書館に行くところは見られたくない…
私はそう思って、まだ、椅子に座ったまま誰かと話している斗真くんを横目に、一旦トイレに向かった。
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