根暗な私

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少し肌寒くなってきた12月初旬。 先生が、黒板の前に立った。 「え~…最近うちのクラスには転入生が多いが、また一人、迎えることになった。 青木斗真(とうま)君だ。入ってくれ。みんな、仲良くな…」 ざわざわとした教室に、一人の男子転入生が足を踏み入れる。 「青木斗真です。九州から来ました。よろしくお願いします。」 サラサラした明るい色の髪、…片耳に光るピアス … 色は浅黒い…鼻筋がスッと通っていて、切れ長の目…目力(めぢから)が凄い…  そして、はっきり言って…どこからみても美形だ…   クラスの女子が息を飲む音が聞こえた…気がしたくらいに… ‥ しかも、身長が…凄く高い…180センチほど…ありそう…お父さんと変わらないかもしれない…。 教室全体を見回し、二カっと笑ってみせる。 全く緊張していないように見える。 私の挨拶の時と、凄い違いだ… 私は緊張し過ぎでほぼ無言…そそくさと席に着くしか、できなかった。 「斗真って、呼び捨てで構いません。早く慣れたいんで、色々教えてください。よろしくです。」        それが、私と彼の、最初の出会いだった…
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