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明るい彼
青木斗真くんは…瞬く間に、クラスの人気者になった。
本当にわずか、2~3日で…クラスのみんなと友達みたいな。
あ…もちろん、友達って言っても私以外の36人と…彼は既に友達…。
私が転入してきた時とは全然違う…。
「おーい!斗真…!学食行かねえ…?今日のランチ、スペシャル丼らしいぜ…特盛!の…月に一度だけなんだよ、スペシャル…」
「マジかっ…!行く行く!!ちょうど今日、俺弁当ねえんだよ…もう…実は腹ぺこぺこ…」
数人の男子生徒とじゃれ合うようにして、笑い合いながら学食へ向かう斗真君。
あ…もちろん、本人に対して、斗真君なんて馴れ馴れしい呼び方はしていない…あくまで心の中だけで、私は彼を、そう呼んでいる。
すごいな…彼の社交性…人懐っこさ…
どうやったら彼みたいに来たばかりの知らない人ばかりの学校で、打ち解けて緊張せずに話せるんだろう…私は不思議でならなかった…。
私は机の横のお弁当袋から、ひっそりとお弁当箱を取り出す。
今日はどうしよう…。このままここで食べる…?
でも… クラスで一番苦手な加奈たちが今日は教室にいる…教室で食べるみたいで、ガタガタと机をくっつけ始める…。
どうしよう…
また、今日も何か言われたらやだな… 私は迷った。
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