ある男

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ある男

朝、私はいつものように自宅を出る。 家族の朝食の準備と簡単な家事を済ませ、決まった時間にマンションのロビーを通過する。 早朝で、まだ辺りは暗闇に近い。 電車の出発時刻は、午前6時05分。 いつものように改札を抜け、駅のトイレの全身が映る鏡で、身だしなみをチェック。 その後、エレベーターでホームへ降り立つ。 私の乗る位置は大体決まっていて、大抵はホームの自動販売機がある位置に一番近い乗降口の、ひとつ右。 今日も、いつも通りの時刻に電車がホームに入ってくる。 早朝の電車でいつも乗客は少なめ。  人が多いのが苦手な私には最適な車両。   私は毎日これに乗って出社している。 颯爽と乗り込み、進行方向の2人席の窓側に座る。 今日も、6時05分、定時に出発。 いつものように、イヤフォンをスマートフォンに装着し、音楽を聴き始める。 …何駅か通過して、ふと…気が付く。     車両内にいるあの男… どこかで…見たことがあるような気がする…
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