出会い

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出会いは1年前。 私は大学を卒業してから、幸運なことに第一志望としていた会社にストレートで就職することができた。 昔から大好きだった銘柄のお菓子や人気食品を主に取り扱う大手食品メーカーへの就職。採用通知を手にした時は最高に幸せだった。 胸躍らせて最初に配属された部署で、私、水無月葉月は…彼、杉崎修哉さんと出会った。 最初の挨拶まわりで、他の堂々とした同期の皆と違って…緊張のあまり、カミカミで…最初の言葉を発した私に「頑張れ…」って…微笑みながら、傍から小声で声をかけてくれた。 今思えば、私はその時から…彼に、少し良い印象を持ってしまったのだと思う。 彼は見たところ186~7センチほどある高身長で、少し長めの前髪をサイドに流し、黒縁メガネをかけていた。 目が吸い込まれそうに綺麗なのが印象的で、男性なのに睫毛が長く、綺麗な顔立ち…。 見た目だけでいえば、品があって、とても物静かそうに見えた。その整った容姿から見ようによっては冷たくも見え、あまり人からの干渉も好まないような印象を受けたのだけど…。 でも…実は彼は見た目と違って、たとえば笑うときは、あはは…って…大きな声で、お腹を抱えるようにして、本当に楽しそうに豪快に笑うし、くだらない雑談も、すすんでする。 誰かの発した少しとぼけた天然発言に気付いたら、面白おかしく、鋭い突っ込みもするし…どうやら職場の同僚の人達とも仲が良くて…とても親しみやすい、明るい性格だった。 そんな、見た目も素敵で…しかも親しみやすい彼を、兄のように、もしかしたら異性としても慕う女性はやはり多くて、よく廊下で「聞いてくださいよ~杉崎さん~!」って…私より少し上の先輩や、少し下の若い後輩が、彼に相談話などを持ち掛けているのを、何度も目にすることもあった。 私は4月から、そんな彼…杉崎さんともう一人、石田さんという杉崎さんよりもさらに年上の男性の下で、主に二人の補佐的業務をすることになったのだ…。 私と彼の出会いは…そこから始まった。 その時、私には一応…交際相手としてはとても順調だった彼氏もいたし… 彼にも…職場内に彼女がいたから… まさか今になって… こんな風に…彼を苦しい気持ちで…密かに想うようになるなんて…             想像もしていなかったのだ…                                             
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