杉崎

1/5
前へ
/568ページ
次へ

杉崎

長い水音     … …  シャー … …  水無月さんが、俺と交代で、シャワー室へ向かってから、 俺はまるで放心したように、ぼうっと、窓際のソファに腰かけていた…      シャー … …  …   いまだ、聞こえてくる水音…   やけに、長い…気がする… もう、15分…  いや、もしかしたら、20分近く…経ってないだろうか… お風呂の湯を溜めているなら、わからなくもないが、シャワーだけでこんなに時間を要するものだろうか… まあ、女性だから髪を洗う時間とか、色々、あるのかもしれない… 水無月さんはもともと、お風呂に入る時間が長い方なのかもしれないし… ただ、少し気になる… さきほどから室内には、シャワーの水音しか聞こえてこない… まさかとは思うが、中で…のぼせて、倒れたりはしていないだろうか…  今頃反省しても、本当に遅いが、 俺は彼女をしつこいくらいに抱いてしまった… 彼女の悶える姿をずっと見ていたくて… 俺が彼女の奥深くを突き上げるたびに、あんと…可愛く喘いで… のけ反る白い首筋を目に焼き付けたくて… 何度も、何度も彼女を、突き上げた…  限界まで、我慢していたつもりだったが、 気付けば激しく奥まで、張りつめた自分のそれで、一気に貫いてしまっていた… 彼女もきっと驚いたに違いない… 小さく身悶えて喘ぎながらも、彼女の眼から涙がこぼれたのを、見逃さなかった… それが、痛みからくるものなのか… 快楽、なのかは判然としないが…  なぜ、俺は… 本当に、愛しいと思っていた彼女を… あんなにも激しく男のそれで揺さぶって… せめたてて、しまったのか…   最後まで、優しく…紳士的に愛したかったのに…   俺は自分が怖くなる… 可憐な彼女を前にすると… あの、白くて細い肢体を目の当たりにすると…  理性が…  俺が今までの人生において、保ってきた理性が簡単に、崩れていきそうな気さえ、してくる…。      シャー… … さすがに、長すぎないか…  …  どうすべきか… いきなり入るのはさすがにまずい…   大丈夫なのか… 俺はやはり気になり、ひとまずドアをノックすることにした… ※他サイトの作品がひと段落着きましたので、再びこちらを更新していく予定です。読んでいただけると嬉しいです。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

244人が本棚に入れています
本棚に追加