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風呂を洗い湯を入れ始め、台所に戻っても鼻歌混じりで野菜を切っている。小気味良い音を立てて野菜を切っているので、危なくはなさそうだなと思い料理は任せて報告書を駐在所で書いていればいきなり後ろから胸を鷲掴みにされて字がぶれた。
「ひゃわっ!?何してるんですか!」
「ポメちゃんのぱいぱいぺちゃぺちゃ!」
「そりゃそうですよ…ってやめてください見られたらどうするんですか!」
服の上から胸の突起をピンポイントで弄られ、手の甲をつねれば手が退けられた。
「ポメちゃんのご飯出来たよ!餌のお時間です!」
「餌って言い方やめてください…」
呆れながら台所に向えばいい香りがしていて、卓上には赤い液体に野菜が入っているような料理があったが名前が全くわからない。
匂いに誘われ椅子に座り、手を合わせて頂きますと言ってスプーンが置いてあったので掬って口に運ぶ。
「美味しい!これなんですか??」
「ラタトゥイユ」
「らた…え?」
「ラタトゥイユ」
首を傾げられながら言われたが、ピンとこない。聞いたことあるような無いようなそんな感じ。でも俺が作る塩コショウだけの味付けの料理と違い、口内に様々な味が広がってゆく。
美味しくてスプーンが止まらなくて、食べ終わってから手を合わせてごちそうさまでしたと言えば、嬉しそうに頭をワシャワシャ撫でられ、嬉しくなって俺も笑みを返した。
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