俺はΩじゃありません

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しばらく経ったある日に聖さんと防犯講座を公民館で開いた。俺と聖さんで実演しながら教えてゆき、聖さんの説明と聞きやすい声で島民の方々にちゃんと伝わったと思う。 久しぶりに聖さんと仕事をしたけどやりやすい。俺がどうしたら伝わりやすいか悩んでいれば、的確なアドバイスをくれてやっぱり凄いなと思う。 「そういえば明日台風が来るみたいだし、パトロールする時は気をつけて」 「は、はい!」 久しぶりに敬礼をした。頭を優しく撫でられ、ちょっと虎牙さんが羨ましくなってしまった…いやでも俺は聖さんと番にはなれないし、子供も産めないし仕方ないよなと考えていてハッとした。 いやいや俺は男で女の人と付き合って結婚して子供産んでもらう側では????何で俺が産む産めないっていう思考になってるんだ!フルフル頭を振っていれば不思議そうに見つめられていた。 「大丈夫です!新米ですがこれでも警察官ですから!」 「頼りにしてるよ虎太郎君」 「はい!!!!」 久しぶりに名前も他の人にちゃんと呼んでもらえた!うぅ…やっぱり怜央さんと聖さんチェンジ出来ないかな… 夜に公民館の清掃をしてから帰れば怜央さんは頬をこれでもかと膨らませている。俺が話しかけてもぷいとそっぽを向いてしまい、どうやら何かに拗ねている様子…まあ明日には機嫌も直すだろと思い放置してさっさとご飯を作ってお風呂に入って眠った。
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