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朝騒音で目を覚ませば窓がガタガタ揺れていて、台風が襲ってきているとわかる。怜央さんを探せば湯の入っていない風呂の中で熟睡していたので、放置して制服に着替えて駐在所に出た。
外は風が凄く、木がなぎ倒されそうに揺れている。レインコートととりあえずライフジャケットを着て深呼吸をしてメガホンを持ち外へ出れば体が浮きそうになったが、なんとか歩いて見回りをする。
『コラそこ!今日は外出しないように!』
外で数人出歩いている青年達に声をかければ、見つかったと言わんばかりに足早に散り散りになった。他の民家など見て回り、困ったことがあれば手伝わなければと思っていた。
海側の家を見て回っていれば海の方でなにか見え、海の方を見れば溺れてる人が見えとりあえずスマホで電話をしようとすれば突風が吹き体が浮いた。
「やばっ…!」
掴むものも無く海に落ちてしまった。レインコートを脱いでライフジャケットの紐を引いて膨らませ、溺れている人の元へなんとか泳いでいき俺に捕まってもらった。
徐々に島から遠ざけられ、二人であっという間に沖に流されてしまった。メガホンも水没して使えないしスマホも駄目になっただろう。
どうしたら良いか悩んでいれば大波に襲われ、波に飲み込まれてしまい意識が遠のいていってしまった…
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