俺はΩじゃありません

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黄土色の長い髪に優しげな顔つきの母と、茶の髪に無精髭をはやしている俺をキリッとさせたような顔つきの父で、二人は俺達の言葉を待っている様子だった。 「まずは報告をさせていただきます。俺は息子さんをβからΩにし、性行為を行い中に俺の精液を注ぎました」 「Ω…なんて事…」 「母さん…お前自分が何をしたかわかってるのか!?人の息子をΩにした挙句孕ませる行為をしたのか!?Ωなんて下層の人達だろ?よく息子をそんなものに」 母さんがくらっと父に倒れこみ、父は怜央さんの胸倉を掴む勢いだ。俺は父がΩをそんなふうに思っていたなんて思わなくて、俺が俯けば肩を抱き寄せられた。 「お願いは、息子さんを俺にください。一生をかけて幸せにします」 俺はばっと怜央さんを見た。まっすぐ父を見ていて、本気なんだとわかる。父は怒りを顕にしていて、母は悲しそうに父に寄りかかっている。子供を喜んでくれると思ったのに、Ωの俺が産む子は要らないの…?Ωの俺なんて…要らないの…?? 俺は父になにか言わなきゃと口を開こうとしたら母はハッとして怜央さんを見た。 「この間虎太郎との電話を切ったのは貴方ね!うちの子をポメちゃんだとか呼んで…αだから何してもいいと思ってるのね!!?うちの子を返してよ!!」 金切り声のように悲痛に叫び、俺は心が砕ける音がしたような気がした。俺は目の前に居るよ?俺は怜央さんを好きになってしまい、怜央さんの子なら産みたいと思ったからΩになったって知った時嬉しかったのに…
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