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二人は、寝ている翔之介さんに駆け寄った。
「桐島殿……相馬殿……」
翔之介さんは、顔を歪めながらも、身を起こした。
「翔之介さん、桐島さんが、お薬のゼリーを作って来てくれたの」
あたしは、翔之介さんに言った。
「翔之介さん、食べてみて」
あたしは、ゼリーを、小さなティースプーンの端にのせて、翔之介さんに差し出した。
翔之介さんは、その小さな口で、ゼリーの隅を食べた。
翔之介さんが、顔を歪めた。
「苦ごう、ございますね……」
「薬だからね」
あたしは、言った。
これで、翔之介さんの具合いがよくなりますように……。
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