翔之介さんの大けが

13/15
前へ
/141ページ
次へ
二人は、寝ている翔之介さんに駆け寄った。 「桐島殿……相馬殿……」 翔之介さんは、顔を歪めながらも、身を起こした。 「翔之介さん、桐島さんが、お薬のゼリーを作って来てくれたの」 あたしは、翔之介さんに言った。 「翔之介さん、食べてみて」 あたしは、ゼリーを、小さなティースプーンの端にのせて、翔之介さんに差し出した。 翔之介さんは、その小さな口で、ゼリーの(すみ)を食べた。 翔之介さんが、顔を歪めた。 「苦ごう、ございますね……」 「薬だからね」 あたしは、言った。 これで、翔之介さんの具合いがよくなりますように……。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加