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「いいから、黙って」
あたしは、強引に自分の部屋へ、翔之介さんを連れて行った。
翔之介さんを、あたしの布団の横に寝かせる。
「さ、沙穂さま!」
あたしは、構わなかった。
翔之介さんが、このまま、押し入れの隅で、死んでしまうなんてことになるのは、絶対に嫌だった。
それから、あたしは、ハンカチを取り出して、ハサミで小さく切った。
それを、台所から持って来た、氷水で濡らした。
その小さな布を、翔之介さんの小さな額に載せて訊いた。
「どう?」
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