愛しき人

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……そうだ。 気付いていた。 でも、認めるのが怖かったのだ。 翔之介さんは、初めて会った時より、確実に小さくなっていた。 「沙穂さまが、ご成婚され、そのお子を御守りするのが夢でございました……。その夢も叶わぬようでございます……」 「翔之介さん……」 翔之介さんは、静かに目を閉じた。 あたしは、その夜、翔之介さんの小さな体を手の平に、抱き締めて、眠りについた。
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