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最も近しいのが両親。それから京の両親。親戚。メディア。街行く男女。それらがテンプレートなセットなのだと、説明はなくとも理解した。
それと同時に、自分が京の抱くものが緩やかに急降下していった。
それに反して、本能的な感情は抑え込まれればそうされるほど、肥大化して熟れて腐りかけていく。
それでも、京が女だったらとは思わない。
「真昼」
「なに」
京が京だから、俺は、たまらなく引き寄せられるのだ。
「僕、女の子とキスした」
「……は?」
前言撤回。いや、違うな。
……京が人でなくなればいいのにとさえ思った。
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