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京はいつも通りゲームをしながら楽しそうになんでもない話を俺に振る。
軽やかで五線譜の上を滑るような声に、俺も結局はいつも通りを装って京に合わせている。「普通」で居続けようとする俺に与えた代償は、仮面だ。
ゲームはふたり対戦でもオンライン込みでもほぼ京のひとり勝ちだ。
1時間もぶっ通しでやり続けて流石に疲れたのでコントローラをカーペットの上に投げ捨て、ベッドの上に頭を預ける。眩しい天井に目を細めながら言う。京をうまく見れない。
「お前、なんでそんな強いの」
俺の呟きに、京は「うん?」と楽しそうに笑った後、柔らかな声で答える。
「僕は、真昼みたいに自分から『普通』に引きずり落ちようとしてないから、かな」
「、」
思わず京を見る。京はベッドの上に腹這いになったまま、枕の上に頬杖をついて俺を見下ろしている。
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