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サラサラの黒髪に…生白い顔…、ん、え?
さっきの泣き声って…、…男…??…
いまだ座ったまま、ハンカチを手にして…号泣中…
「うっ…んっ…くっ…」…あろうことか…まだ、嗚咽を漏らしている…
青白い頬に…とめどなく流れる涙…赤くなった目…
途端に、ズクンっ… と、俺の下半身が…震える。
…な…なんだこれ…
俺…どうしちゃったんだ…声の主は男だってわかったのに…
男相手に、俺…なんで興奮…しかけてんだ…
あまりに泣き過ぎて消耗したのか…ソイツがなかなか席を立たないので…気付けばシアターには俺とソイツ以外、誰もいなくなって、どうやら次の映画の準備のために、係の人がやってきたようだ。
普段は知らない人なんかに声をかけない俺だけど…俺はつい…おせっかいを。
少し震える声で、ソイツに声をかける。
「だ…大丈夫、ですか…そろそろココ、出ないといけない…みたいですよ?」
ソイツは俺の声にハッとして、俺を見上げる…
大きな目に…涙が浮かべたままの表情で…
やっと正面から顔を見ると…うさぎ…いや…捨てられた子犬…なんかすごく…可愛い…
下から見上げられ…男相手なのに…俺の心臓は、バクバクとなった。
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