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泣いている君が好き
俺は、須賀登也。現役の高校3年生。
身長186センチ、体重77キロ。色素薄めの肌色と、サラサラ茶髪。
いきなり申し訳ないが…俺はめちゃくちゃに、モテる。
保育園の頃から、桃組の女の子に好きだと言われて、いきなり抱きつかれほっぺにチューされるわ、
小学校時代のバレンタインとかはマジで食べきれないほどの数のチョコが、ガッコの机とか棚に押し込められていた。
告白された回数は…うーん…ちょっと細かく覚えていないけど2桁くらい。
年齢・性別問わず、上は10歳上位のお姉さまから、下は保育園の年長さんの女の子まで…
好きだ…とか、付き合って…とか、一度だけでも…とか…
中でも一番ビビったのは、家族で行った温泉旅行の露天風呂の洗い場で、「兄ちゃん、いい身体してんね…背中、流してやろうか…」と背後から知らないおっさんに、声をかけられた時。
「いえ!大丈夫っす、自分で!」と秒で断り、鏡に映る俺を見つめて欲情しかけのおっさんと目が合いぞっとした。
とにかく俺の今までって、かなりのモテ人生。
だから、俺から声をかけた場合、そっこー相手は落ちる。
だって、自慢じゃないが、いや…やっぱり自慢だな、俺から誘って、断られたことなんて、一度もない。
だけど、悲しいかな…。ドストライクの人間に…いまだに会えてない、俺。
今まで少しの期間、付き合ってみたり、身体の関係だけの女の子もまあまあいるけど…んでまあまあ、楽しくセックスなんて、してたんだけど…
違う…なんか、違うんだ…足りない…俺の欲求を…満たしてくれる奴が…いない。
だから、やっぱり長続きしなくって、付き合っては別れ、また付き合っては別れ、を繰り返している。
しかも俺はまあまあ器用だから、けんか別れとかにもなんない。また、誘ってねーってドライな関係の子としか付き合ってないからかも、しんないけど。
そんな俺が… 突如… 雷に打たれたように…恋に落ちた…
恋って表現が正しいのかなんなのか、よくわかんないけど…アイツを初めて見た時、間違いなく俺の心臓は…ドクンと跳ねあがった…
アイツとの最初の出会いは映画館だった。
俺は日曜日、することがなくて、一人でふらっと映画館に入って映画を観ていた。
たまたま、俺の隣の席に座っていた、ソイツ…
もっと…泣かせたい…
俺はヤバいことに、そう、思っちまったんだ。
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