2:最強の高校生達

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 §§§ 「で? 味はどうだったよ」 「……なんでバレてんのよ」  気づけば爆羅木ヨシツグが私の背後に立っていた。  べ、別に覗き込んだ鍋の中身がものすごく美味しそうなカレーだったからってつまみ食いしまくった挙句寸胴鍋の三分の一くらい食べちゃったとか、そういう訳ではない。  ベルちゃんは優等生だもん。  美味しかった……。 「サラマンダーが出たけど、襲われなかったか」 「襲われたとして私だったら相手にならないわよ」 「さいですな」  だからこそ救助のため現場に向かってみたんだけど、着く前に魔獣はもう倒されていた。  サラマンダーなんてS級魔獣、言い方はよくないけど並の高校生が倒せる代物じゃない。 「どうせ倒したのアナタでしょ、適当なこと言いふらしてたくせに」 「いや、目立つのは苦手なんで」 「……まぁ、お互いに成績が公開されてないだけラッキーと言った所ね」 「首席は入学式で挨拶だもんな、二位と三位は日陰者に甘んじられる」  爆羅木ヨシツグの発言に思うことがあり、私は腕を組んで、近くの木に寄り掛かる。 「だから入試で手を抜いたの?」  入学成績二位と三位の獲得者は、今この場にいる二人である。  どちらが上の二位かって? 「ヨシツグ。アナタってホントに何者なの」  私の方だ。 「お花のつぼみの妖精さんぽよ」 「何言ってるぽよ」 「まぽっぴぃ!?」  なんか鳥肌が立ったので電撃を放っておいた。  さっきの超強力魔法を普段使いしているところや、私の本気の魔法をほぼノーダメージで受けきったところ、S級魔獣を一撃で倒してしまうところ……どう考えても実力は私の格上なのに、この男のランク付けは私より下なのである。 「ふん……まぁ良いけど。せいぜいボロが出ないように頑張りなさいよね、陰キャ君」 「ぷぴぃ」  爆羅木ヨシツグ。  見た目は学校の番長という肩書に見合う格好だけど、その実、掴みどころのない変な男子高校生。  それから、私の、過去の友達。 「待てよ」 「なによ」  お互いに、三年間で色んなものが変わったけれど、それだけかかれば当然の事。 「お前を誘いに来たんだよ。行こうぜ、みんなのとこ」  でも、フラットな感覚で接することができるのは、貴重な存在なんだと思う。 《続く》
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