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「あっ……本当に大丈夫、ですか?」
驚いて蒼一を見返し、ほたるは目を見開いた。
すごく、綺麗な人だな――
ようやくまともに顔を見て、浮かんできた感想に彼女はぶんぶんと首を振った。
「ご、ごめんなさい」
いくらなんでも不謹慎すぎ!
ようやく落ち着きを取り戻したほたるは、涙を拭った。
「謝るのはこっちの方だよ。ごめんな」
優しい声がして顔を上げると、整った微笑みに目を奪われた。
「…………」
どうしてか息が詰まって、言葉にならない。
「ホントに大丈夫か?」
固まってしまったほたるを心配そうに見つめる蒼一。
「……大丈夫です」
こちらを見返す彼女は、どこか沈んだ表情をしている。あんなに焦っていたことと何か関係があるのか……極度の心配性なのか。
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