星の終わりにくちづけを

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 ゆっくりと言ったものの、それは永遠という意味ではない。しかし、目を覚ましたばかりの彼女に伝えるには酷だと思って、喉の奥で止めておいた。 「はい……」 「外はまだ少し明るいけど、時間は夜だ。このままゆっくり眠るといい」  エリーはうなずいて、また横になった。 「おやすみ……」  俺は台所で食器を洗い終えて、窓の外を眺めながらしばらく立ち尽くしていた。  エリーがどうして現れたのか、エリーがなぜ生き返ったのか。  もし、生き返ったのだとしたら、他の人たちは?  娘は?  それとも、エリーという同じ名前の他人の空似……。  なにをどう考えても、自分の頭を混乱させるだけだった。  翌日、やはりエリーは存在していた。俺は夢でも見ているのではないかと、寝ながら考えていた。  彼女は、まだ今までのことを思いだせずにいた。一緒に朝食をとり、普通の生活をすることくらいはできるようだった。どのくらいの期間、記憶を失っているのかはわからない。  そして、どこから来て、どこへ行くつもりだったのか……。  ココにはもう誰もおらず、誰かに会うにしても意味がわからない。
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