新学期前夜〜あいのさいのう〜

1/10
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 ある朝宇賀神みなとが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドの中で自分が一人の、とても小さな小学生に変わってしまっているのに気がついた。    小さな背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、褐色の、薄く腹筋の分け目が入れられた腹部が目に入った。その腹に掛け布団がかろうじて引っかかっていたのだが、今はすでに滑り落ちてしまっている。  昨日までの足の太さに比べると、今は悲しいほど痩せこけて、頼りなく目の前でひらひらしている。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!