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「そんなこんなで、ありとあらゆるキスを試みましたが元には戻りませんでした」
「ほほほ、お若いわねえ。そうだったの。まぁ、わたくしもそこまで本気で言っていたわけではないわ。いいじゃない、戻らなかったら戻らなかったで。女は度胸!」
「二人とも、男だけどな」
「そうだったかしらね。まぁまぁ、お詫びに今日はわたくしが晩ごはん作ってさしあげるから。今から、材料買ってくるわね。それにしてもお二人の仲睦まじさを見ていたら、わたくしの方が若返ってしまったわ〜」
そう言って鼻歌を歌いながら、叔母は去っていった。この人も、あんまり役に立たなかったな。
「本当に、どうすんだよ。さっきも言ったけど、明日から新学期なのに」
「高校は、しばらく休学するしかないんじゃない?何年くらい出来るものか、知らないけど。そうだ。お兄ちゃんも明日から小学校に復学するし、みな君一緒に通おうよ。『兄貴がいじめられたら、小学校に殴りこみに行くよ!』とか言ってたけど、まさか実現するなんてねぇ。えへへ」
「笑い事じゃねぇよ…。やだよ。小学生に混じって、お勉強とかさ」
「流行りの、人生やり直してる系だと思えばいいんじゃない?ところで今更だけど、みな君が戻らなかったのってお兄ちゃんが『お姫様』じゃないからかな?今からでも、須崎さんを呼んで…」
「やめろよ。彼女とは、そういう関係じゃないから。それに、こんな姿見られたら大歓喜するぞ。今度のイベントは、またおれと兄貴のカップリングで行く〜とか言ってさ」
「言えてる」
「そ、その…。『お姫様』かは知らんけど、男同士でも兄弟でも、おれは兄貴のことが好きだから…。って、言わせんな恥ずかしい。そうだ。せっかくこの姿に戻ったんだから、やってみたい事があるんだ」
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