僕の怒り

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僕の怒り

僕は今日もストレスをためながら、そのたまったストレスを発散出来ずに毎日毎日変わらない一日を送っている。 朝は、女性専用車に乗れるけれど、帰りはそうはいかなくて混雑状況によっては立って帰る事もあるし、毎回座れるわけではない。 僕の中の日々たまったストレスがもうすぐ爆発しようとしていた。 どこの会社にも色々な人がいて、その人が合わないと思っても仕事がスムーズに進むために合わせたりするものだと思っていた。 先輩なら尚のこと少しは、先輩らしい事をしてもいいと思う。 だけど、1人嫌な先輩がいる。 先輩は何かと僕のミスを見つけては注意してきて、先輩のストレスのはけ口にされているように思う。 そんなストレスが正に爆発寸前で帰りの電車に乗っている時だった。 「いた!」 僕は、目の前に立っている男をキッ!と睨みつけた。 男は気がついてないと言わんばかりに知らん顔をしている。その顔が僕の怒りを爆発させた! 女が男の足を踏むのはあまり痛くないかもしれないけど、男が女を踏んだら痛いんだぞ!と 今にも殴ってやろうかと腹が立って仕方ない! そして、謝りもしない。 いつも穏やかな僕の感情。どうしてしまったのか? でも、この怒りはどうする事もできない。 止められないのだ!僕が成敗してやろう!思い知るがいい!そう思った。 僕は力いっぱい男の足を踏み返してやる! 全体重の力をいっぱい込めて『えい!』と心の中で叫んだ。 「いた!」 男の顔を見つめながら、目には目をだ!と声に出さずに顔で言ってやった。 男は、自分が先に踏んでいたから何も言える筈がない。 「あの、今足踏みましたよね?」 「あなたが私の足踏みましたよね?」 こいつ、自分の事を棚に上げて何言ってるんだと僕はどんどん怒りが噴火するように吹き出してきた。 「あなた、人の足を踏んでおいて謝りもしないのは、どうかと思いますよ!本当に!何言ってるんだよ!ボケ!」 男は、何も言い返す言葉もないような顔で僕の目も合わせられない様子だった。 急に汚い言葉を浴びせてやったから、びっくりしているようにもみえる。 僕は自分のカバンをわざと男にぶつけながら駅に着いたので降りる。 なんだろう。この爽快感。 やってやった。言ってやった!あの顔!思い知ったか! 少しは反省しろ。 このヒールが僕の1番のストレスだったが、これはこういう時に使うんだな! 僕はいい武器を持った!癖になりそうだ。これからは、僕が成敗してくれよう。 『ここに勇者誕生!』 ♢ 数日前の爽快感を味わってから、僕はそういう場面にならないか待ち構えていた。悪は許さない。 今日は、寝坊していつもの電車に乗り遅れそうになり、何とか間に合った。 ここは女性専用車よりも込み合っていた。 大勢人が降りるからドア付近にいた僕は前の人に続いて降りようとしていた。 ドン!と僕を力いっぱい押す男がいた。 転びそうになるのを必死で持ちこたえた。 誰だ!と振り返った時には、降りる大勢の人達で誰に押されたのか分からなかった。 でも、転ばなくて良かったと 「ふぅ〜」と安堵感から深いため息が出る。 ♢ 学生達が春休みに入った頃。 忘れた頃にそれはやってきた。 今日も寝坊してしまった……仕事での疲れが最近取れない。 相変わらず女性専用車でないここは、学生が減ったとはいえ、込み合っている。 ボ〜っとしていると、勢いよくぶつかってくる男がいる。 あいつだ!こいつ本当に懲りないな。 そう思いながらもやり返してしまう。 もらったケンカは買ってやる! 根性叩き直して成敗してやる! 僕の中に眠っていた、荒々しい感情と正義が目覚めた瞬間。 『僕は勇者だ!』
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