たまには現代でも

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たまには現代でも

「はぁ…。」 「こんな高い場所で…自殺でもするつもりか?」 「…!?だ、誰ですか!?」 現代世界、なんの変哲もないビルの上…。 こんな所にくるのは大体自殺者だろうね。 まあ、その本人が抱えてるのは些細なことだけどね。 「別に誰でも良いだろ。」 「いや!!誰でも良くないですから!!」 「えー…んじゃ、何を晒せば良いんだ?」 「えっ?えーと…まずはお名前から…。」 「田中太郎。」 「…本当にそんな名前なんですか?」 「いや、名乗っただろ。何故に疑う?」 「…そうですよね、ごめんなさい。えっと、その太郎さん「太郎で良い。」…太郎はここで何をしているんですか?」 名前とその存在理由ね…この現代世界においては別にどうだって良いと思うのだが。 ぶっちゃけると細かいことは気にするなだよ。 「えー…と、暇潰し?」 「何故、疑問符が付くんですか?」 「良いだろ、別に。」 「まあそうですけど…。」 この娘、寿命が短いな。 死因は必然的に起きる事故で死ぬってことまでは分かります。 えーと、パラメーターは…っと。 「君。」 「それって私ですか?」 「他に誰がいる。」 「もしかして、幽霊が居るんですか!?」 「…幽霊くらい何処にだっているさ。」 見えないだけで何処にだっているだろ、幽霊くらい。 神クラスの場合は特定の場所にしかいないがね。 「ひえぇ…私、そういうの苦手なんですぅ…。」 「そんなことは置いといて…これから向かった先に君の天職となる物に出会うだろう。」 「天職…ですか?」 「そうだ、君の場合はその道が良い。」 「私の場合…他の人じゃ駄目なんですか?」 「駄目じゃないけど、成功率が低いからパス。」 「はぁ…なんだか分からないですけど、行ってみますね。」 その後、スカウトに出会って芸能の道にすんなりと入る確率は…低いな。 何度か会話した方が良さそうだ。
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