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月はキミに恋をした
「お、綺麗な月!」
俺は森本瞬。
彼女がいない、1人暮らしのごく普通の大学生だ。
今日は中秋の名月。
俺はベランダで椅子に座って団子を食っていた。
「団子うっめえなぁ!」
そうやって独り言を言いながら、団子に夢中になっていると、
「あれ?なんか月でかくなってきてねえか?」
街の方から騒ぎ声が聞こえる。
「どうしたんだろう?」
上を見上げると、月がなぜかこっちに迫ってきた。
俺がいるアパートの目の前で月は止まった。
「え⁉︎夢…痛!夢じゃない…。ってことは…きゃああああああああああああああ!ぐわっはああああああああああああ!ええええええええええええええええ!まじでまじでまじで⁉︎やばくね⁉︎まじか!やっばあああああああああああああああああああああ!エグすぎるだろ!怖っ!やばいて!えええええええええええええええええ⁉︎ガチ⁉︎まじかよ!えっぐ!やべえやべえやべえ!ガチめに⁉︎えええええええええええええ!痛っ!まじか!やばい!なんだよこれ!どうなってんだよ!ありえねええええええええええええ!やっぱ夢だよな?うん、痛ああああああああああっ!ええええええええええええ!まじかまじかまじか!やっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっばっ!わあああああああああああああ⁉︎やばいって!なにそれ!ドッキリ⁉︎んな訳ないか!がはははは……え⁉︎怖っ!えええええええええええええええ⁉︎はあああああああああああああああああ⁉︎怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いいいいいいいいいいいいい!まじやめてもーーーーーーーーーーーーお!なんでこんなことになるの⁉︎ゆっくり団子食べてるときに限ってさあ!」
「叫んでいるところ悪いんですが、あなた、かっこいいですね!」
「へ?つ、月が、しゃ、しゃ、喋ったああああああああああ⁉︎ええええええええええええええ⁉︎しかも、俺が、かっこいいだとおおおおおおおおおおおおおおおおお⁉︎俺、彼女いたことねえぞ⁉︎」
「あ、あのー、付き合ってもらえませんか?」
「えええええええええええ⁉︎はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ⁉︎月と?人間が?ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ⁉︎無理無理無理無理無理無理無理!無理だって!そんなの!どう考えても無理っしょ!」
「そうですか…。すみません、いろいろと騒がせてしまって。」
今起きていることが全く理解できず、唖然としている周りの住民と、『俺』。
「ねえ、これってどうすりゃいいんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
もう、そこに月の姿は無かった。
そして、翌年も中秋の名月になると、月は俺のところに来た。
しかし、大学を卒業後、引っ越しした後からはもう会うことはなかった。
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