ナカケンさんちのおっちゃんぶー

4/4
前へ
/4ページ
次へ
18年もの間、僕たち夫婦を癒してくれて本当にありがとうね。 初めは僕たちの子どもだったおっちゃんも、いつの間にか猫年齢ではもう80歳近くなっていたんだね。 おっちゃんは家の中にずっといたけど、外へ行きたかったのかな? それと、いつも窓から外を見ていたけど何を考えていたの? おっちゃんは、ママさんとケンちゃんにかわいがってもらえて、快適な生活をさせてもらってうれしかったニャンよ〜。 え?!ここに来ていきなり猫語? 最後くらい良いニャンよ〜。 は、は、はい。 奥さんは、おっちゃんに、とっても癒されていたと思うし、たまには僕への愚痴なんかも聞いてくれていたんだろ。 ありがとうね。 そして今日、おっちゃんにとうとうお迎えが来たんだね。 悲しいよ、とっても。 奥さんはおっちゃんロスになっちゃうよ。 かわいそうだ。 もうちょっと、看病をこうすればよかったのかな?あーすればよかったのかな?ってずっと言うんだ。 でもこれも仕方のないことだよな。 これからは僕が奥さんを大事にしていくから、心配しないで。 それからたまには、奥さんの夢に出てきてやってよ。 5回に1回で良いから僕の夢にも出てきてよ。 頼むよ!キャットフード買ってあげただろ! おっちゃんは、一度だけ、ニャーと返事をしてくれた。 それじゃー、名残惜しいけどお別れだ。 じゃーな、おっちゃん、ありがとう!ありがとうね、おっちゃんぶー! あり…が…と…う…。 おっちゃんは静かに眠るように天国へ行った。 それから、僕と奥さんはおっちゃんのお葬式をあげて、お骨を持ち帰って来た。 いつも奥さんの近くにおっちゃんがいるのが、僕にはわかるんだ。 ママさんが好きなんだな。 今度生まれてきた時には、僕と奥さんの子どもに生まれて来てさ、三人で暮らそうよ。 約束だよ、おっちゃんぶー。バイバイな。 〜完〜
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加