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18年もの間、僕たち夫婦を癒してくれて本当にありがとうね。
初めは僕たちの子どもだったおっちゃんも、いつの間にか猫年齢ではもう80歳近くなっていたんだね。
おっちゃんは家の中にずっといたけど、外へ行きたかったのかな?
それと、いつも窓から外を見ていたけど何を考えていたの?
おっちゃんは、ママさんとケンちゃんにかわいがってもらえて、快適な生活をさせてもらってうれしかったニャンよ〜。
え?!ここに来ていきなり猫語?
最後くらい良いニャンよ〜。
は、は、はい。
奥さんは、おっちゃんに、とっても癒されていたと思うし、たまには僕への愚痴なんかも聞いてくれていたんだろ。
ありがとうね。
そして今日、おっちゃんにとうとうお迎えが来たんだね。
悲しいよ、とっても。
奥さんはおっちゃんロスになっちゃうよ。
かわいそうだ。
もうちょっと、看病をこうすればよかったのかな?あーすればよかったのかな?ってずっと言うんだ。
でもこれも仕方のないことだよな。
これからは僕が奥さんを大事にしていくから、心配しないで。
それからたまには、奥さんの夢に出てきてやってよ。
5回に1回で良いから僕の夢にも出てきてよ。
頼むよ!キャットフード買ってあげただろ!
おっちゃんは、一度だけ、ニャーと返事をしてくれた。
それじゃー、名残惜しいけどお別れだ。
じゃーな、おっちゃん、ありがとう!ありがとうね、おっちゃんぶー!
あり…が…と…う…。
おっちゃんは静かに眠るように天国へ行った。
それから、僕と奥さんはおっちゃんのお葬式をあげて、お骨を持ち帰って来た。
いつも奥さんの近くにおっちゃんがいるのが、僕にはわかるんだ。
ママさんが好きなんだな。
今度生まれてきた時には、僕と奥さんの子どもに生まれて来てさ、三人で暮らそうよ。
約束だよ、おっちゃんぶー。バイバイな。
〜完〜
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