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夫婦は散らかったテーブルの上をさっと片付けて、スペースを空けた。
私が運んできたホットコーヒーとカフェラテ、そしてクラブハウスサンド二つをそこに置いて「ごゆっくりどうぞ」とその場を離れた。
振り返って彼らのテーブル席を見ると、「さあ、食べようか」と妻に笑顔を向ける、よく見知った元彼の顔があった。
日曜の午後の日差しが差し込むカフェの窓際の席で家族の時間を過ごす元彼のことなど振り切って、私は混み合う店のカウンターで、仕事に戻った。
(続く)
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