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のぞみが東京駅を出発するのは9時である。
入社して初めての出張にワクワク感はあったが、不安もあった。
それは待ち合わせ場所の銀の鈴に迷う事なくたどり着けるかどうかである。
大泉学園駅から東京駅までは、西武池袋線で池袋に出て、そこから山手線に乗り換えて東京である。
約1時間は掛かる。
8時までには東京駅ヘ着いてないと不安であるので、翔子は間に合う様に寮を出た。
東京駅に着くと、案内板の通りに東海道・山陽新幹線を目指して歩けば良い。
楽勝楽勝！迷う事なく新幹線乗り場にたどり着けた。
ふと脇に目をやると、銀の鈴がケースに納められている。
時間を確かめると8時10分。
待ち合わせ用のベンチを見回して菅谷の存在を確かめたが、まだ来ていない。
珈琲専門店でブレンドを買って時間を潰す事にした。
テーブルについて椅子に座ると鎌倉のガイドブックを開いた。
時折感じる視線・・・良く分からないが見られているのは確かである。
しかし、翔子には違和感はない。初めはちょっぴり戸惑ったが、怖さを感じるものではない。
その視線には無頓着であり鈍感になっている。
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