円窓 鎌倉恋

想い

世間話すら出来ないのは・・・もしかして。

いゃ違う！彼女は僕の部下なんだから・・・

社内恋愛というものが、菅谷には有っては成らない事なのである。

あいつ、自分の部下の娘に手を出した。

そんな陰口は聞きたくもないし、出世に影響が出るかもしれない。

しかし、彼女が僕を好きに成り、僕と付き合うために会社を辞めれば、菅谷はそんな事を思い浮かべている。

要するに、翔子が自分を好きに成ってくれれば、それはそれで自分の昇進には影響はないだろう。

なんとも情けない考え方であるが、会社によっては、仕事の成果が十分ではない場合、社内恋愛は確実にマイナスである。

要するに仕事をそっちのけで、恋愛に励んでいるわけではないが、そうとられても仕方がない。相手が美人だとさらにバツが悪い。

やはり部下とは付き合えない。

ナルシストの思いあがりの菅谷は、翔子の気持ちが自分にないのはあり得ないと考えていた。