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翌朝、ホテルのレストランでバイキングの朝食を翔子はとった。
なかなかお洒落な雰囲気のレストランで、シャンソンが程良い音量で流れている。
菅谷が既に朝食をとっている。
和食と洋食のコーナーに別れていて、どちらもメニューに富んでいる。
煎茶にご飯、味噌汁に鮭の塩焼き、ほうれん草の胡麻和えをトレイにとって、菅谷の真向かいに座った。
「おはよう御座います、今朝も良く晴れていて気持ちの良い朝ですね。」
「あーっ。」
そっけない返事である。
「昨夜の夕食はここで食べたのですか?」
「あーっ。」
完全に翔子を意識している。しかし菅谷は相変わらず翔子の告白を待っているのである。
たぶん、菅谷の性格からこの気持ちは変わらないだろう。
ナルシストで捻くれ者の菅谷には翔子は似合わないのである。
でも、悪い男ではない。
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