scapegoat

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バカみたいなことを言いながら雑誌を閉じた。適当にベッドに放り投げて、素っ裸のまま伸びをする。 「っあー、さて、夕飯どうすっかねー」 首をぐるっと回すと、カノジョが一言短く「あ」と言う。 「先輩と飲みって言ってたのいつだっけ?」 「え? 水曜日って言ってたような?」 「今日水曜じゃん?」 「おぅ、マジか」 そうそう、兄さんと飲む予定入れてたんだった。水曜だとお互いバイトないし、次の日も昼頃からしか講義ないしで、その日にしてたわけだ。 「じゃあ支度してもう行こうか? 先輩待ってるかも」 兄さんはこういうとき、開店と同時くらいに店を訪れている。カノジョは、少し慌てて着替えを手に取った。 「いやいや、その前にシャワーくらい浴びようよ、イカ臭いじゃん」 「イカとか言うなって!」 顔を真っ赤にするところも可愛い。でも一仕事したあとのシャワーって大事でしょ、さっぱりしないとさ。 カノジョの手を取り、ユニットバスでさっとシャワーを浴び、それから慌てて支度をした。 いつもの店までは20分くらい。駅の裏にある飲み屋街の隅っこにある。開き始めて活気あふれる飲み屋街の雰囲気も嫌いじゃない。キラキラした看板を眺めるだけで楽しくなる。前に兄さんにその話をしたら、なんかサラリーマンのおっさんくさいって言われた。
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