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「そんなのその副代表だか副会長だかに任せたらいいじゃん!」
俺もムキになって反論するけど、彼は軽く首を横に振る。
「いやいや、あとそのままトークショーのメンバーとして参加してもらうから、それは無理だよ」
「トークショぉ?」
勢いもそのままに声が裏返った。
「トークショー。あの俳優と君らのさ。君らっていうか、君だよね」
視線はカノジョの方に向いた。
「あ、俺」
カノジョの方は、あぁやっぱりね、みたいな淡々とした反応だった。
「じゃあ出来レースみたいなもんってことじゃん」
「出来レースっていうか、参加は決まってるってこと。まぁ、詳しくは副代表に聞いたら?」
外国映画で見かける、言いたいこと言っていなくなる、ツンケンしたモブキャラみたい。早口で言うだけ言って、彼はさっさといなくなってしまった。
「なぁ、いいの? ほんとに参加すんの?」
俺はでかい図体を軽く折り曲げて、カノジョに耳打ちするみたいに言った。
「まぁ、なるようにしかなんないだろ、もう」
カノジョはため息混じりに言う。諦め半分って感じにも見えた。
カノジョは責任感が強いから、いきなり振られたこんなイベントにも真面目に取り合っちゃうんだと思う。俺はカノジョがやるって言うなら、もちろんノーとは言わないし。
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