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「めっちゃ狭い」
自分たちカップルのことばかりなのは俺たちも一緒で、顰めっ面で俺の腕に収まるように立っているカノジョを黙って抱き寄せる。
「は? マジやめろって」
余計に眉間に皺を寄せる。
「しょうがないだろ、だって狭いんだからさぁ」
本当に仕方ないみたいな感じで言うとただの友達同士のやりとりみたいだけど、ちゃんとカップルだっていうのを周りに見せつけたくて、わざと強めに抱き寄せた。
「ちょっ、苦しいって!」
マジで嫌がる。ジタバタしてるのを周りにチラチラ見られて、その視線に気づいてカノジョの顔は真っ赤になった。
「マジでいい加減にしろ」
睨んだつもりが、ただの上目遣いにしか見えなくて可愛い。鼻の下が伸びそうになるのを堪えて、黙って抱き寄せてると、そばのカップルのコソコソ話が聞こえてきた。
「アレでしょ、優勝したらトークショー出るんでしょ? ヤバいよね、一緒に写真撮りたい」
優勝したらトークショー出るって?
「え、何それ、マジで?」
彼氏を押しのけて、話してた女の子に声をかけてしまった。めっちゃ驚かれたけど、そこから周りのカップルも口々に話しをし始めた。
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