scapegoat

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ベッドでの一仕事を終えて、ただいま午後5時過ぎ。 今日は午前中の2コマまでで終わりで、もう2時には自由の身で、バイトもないから暇だなぁって思ってて。そしたらカノジョも急遽休講で4コマまでの予定が3コマで終わりになったって言うから、じゃあ会いましょうかって話になって。 香水変えたカノジョについムラッとしてしまったわけで、俺の家で今に至るわけです。はい。 「あー、ヤバい、めっちゃ腹減った」 放出して放心状態だったのがようやく回復して、開口一番それしか出なかった。 素っ裸でベッドサイドに足を下ろすと、カノジョは全然ダルそうでもなく、横たわったまま、うちに来る前に買った雑誌に目を通している。男向けのファッション誌だ。 「雑誌なんか珍しいじゃん」 普段、雑誌なんか買わないのに。カノジョは目を逸らすわけでもなく、素っ裸のまま緩く返事した。 「んー、コンビニでお茶買ったんだけど、ついでに買おうかなって思って」 「思いつき?」 「思いつき」 「ふーん」 カノジョもカノジョで、しっかりイったもんだからダルいんだろう。となりでまたゴロッと横になり、一緒になって誌面を眺めた。
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