ほしい言葉なんて貰えない

3/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
背中に雷が落ちた。一瞬息が止まった。 純粋なる感想だ。悪意はない、ないからこそ、衝撃的だ。 「僕には思いつかないフレーズなので新鮮です。  ちょっと手直しはしますが、歌えないことはないです」 背中に荒波が押し寄せた。先ほどから、やたらと背後が騒がしい。 「な……なんで、私に依頼した、の?」 「ああ。僕、色んな人とコラボしてて、それで声かけてみたんです」 依頼の具体的な理由も聞かなかった私も悪い。 歌詞に惹かれたから、とか、アキユリの歌詞が好きだから、とか そういった好意で声をかけてくれたのだと思っていたから、 そんな「誰でも良かった」みたいな言葉は聞きたくなかった。 「そっか。それはもうタカヒロの歌だから  サビのところ全修正してくれていいからっ!」 じゃあ予定があるから、と言い逃げしてその場を去った。 悔しい、 悔しいっ、 悔しいっっっ!!!!
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!