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背中に雷が落ちた。一瞬息が止まった。
純粋なる感想だ。悪意はない、ないからこそ、衝撃的だ。
「僕には思いつかないフレーズなので新鮮です。
ちょっと手直しはしますが、歌えないことはないです」
背中に荒波が押し寄せた。先ほどから、やたらと背後が騒がしい。
「な……なんで、私に依頼した、の?」
「ああ。僕、色んな人とコラボしてて、それで声かけてみたんです」
依頼の具体的な理由も聞かなかった私も悪い。
歌詞に惹かれたから、とか、アキユリの歌詞が好きだから、とか
そういった好意で声をかけてくれたのだと思っていたから、
そんな「誰でも良かった」みたいな言葉は聞きたくなかった。
「そっか。それはもうタカヒロの歌だから
サビのところ全修正してくれていいからっ!」
じゃあ予定があるから、と言い逃げしてその場を去った。
悔しい、
悔しいっ、
悔しいっっっ!!!!
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