ほしい言葉なんて貰えない

1/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「アキラさん、歌詞書いてくれませんか?」 私はもちろん二つ返事した。 声をかけてきたのは、同じように音楽活動をしているタカヒロだ。 私たちは別々のバンドで活動しているが、 活動拠点が近く、たまにライブハウスで顔を合わせている。 同年代ということもあり、互いの曲を聴き合い、 切磋琢磨している戦友といった仲だ。 彼の歌詞は独特の韻があり癖が強いが、メロディーと重なると、 すんなりと耳に届き、胸に刺さる。 要は、私は、彼の歌が好きなファンの一人である。 そんな彼からの頼み事を断る理由なんてなかった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!