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日常『諒』
それからの毎日は平凡だけど、幸せだった。
受験勉強をして同じ大学に受かり、一緒に毎日を過ごす。
俺達は当たり前のように一緒で、康太、司、ひろまでいる。
河北さんまで一緒だったのは予想外だったが、花音が嫌じゃないならどうでも良かった。
「白井君って彼女いるの?」
「白井君、アドレス教えて!」
そんなことを聞かれることもあるけど、正直俺にとっては花音以外の女子はみんな同じで。
「ごめんね、俺彼女大好きなんだ」
と笑顔で答えることにしていた。
そう言うと女の子達はみんなひろの方にいく。
ひろは来るもの拒まずという感じだった。
「お前、好きな子いないの?」
「諒」
そう聞くといつもこう答える。
あまりに軽く言うから、嫌な気持ちにはならない。
「俺は花音だけだからな」
そう言うと、鼻で笑われた。
「番犬」
「は?」
「お前モテるくせに、ずっと花音の番犬やってんなーって思ってさ。俺も番犬欲しいわー」
肩に手を置かれて、顔を寄せて囁かれる。
「そんなんだからいつまでも童貞なんだよ。卒業したけりゃ手伝うから言えよ」
笑顔でその手を払いのけて、パンチする。
「もう番犬じゃない。付き合ってる」
「じゃあ早く自分のものにするんだな。逃げられないうちに」
軽口を叩いて、ひろは行ってしまった。
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