夢浮橋の先に

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一人っ子の私は、兄弟や姉妹に憧れを持っている。 これは私だけじゃなくて、一人っ子なら皆そうだと思う。 年の近い家族がいるってどんな感じだろうって、一度は思ったことがあるはずよ。 子供の頃を思い出してみて。 自分が女の子だったら、最初はお姉ちゃんか妹が欲しい。 男の子だったらお兄ちゃんか弟が欲しいと思ったはず。 自分と同じ性別の子の方が良い遊び相手になるもんね。 思春期になったら、今度は自分が女の子だったら、お兄ちゃんか弟が欲しい。 男の子だったらお姉ちゃんか妹が欲しいと思うようになったはず。 同性だから感じる嫌な所を知って、無いものに憧れるようになったからよ。 もう少し成長して、大人になったら。 もうお兄ちゃんも、弟も、お姉ちゃんも、妹も欲しいと思わなくなったはず。 少なくとも私はそうよ。 だってもう無いものねだりをしなくて良くなったから。 私が欲しいものはもう目の前にあるのよ。 やっと出会えたわ。 私の幻のお兄ちゃん、私の幻の弟。 あなただったのね。
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