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強という名前は母親が付けたそうです。
母は僕にとにかく強い男になってほしかったそうで、女を守れる立派な男になるんだよとよく言っていました。その女は母自身も入っていた様で、父が母を殴る時、母はいつも僕をこっそり見ていました。そして暴行が終わった後で、強ちゃんはどうして私を助けてくれないのとシクシク泣くのです。助けられる訳がありません。僕はまだ子供です。力が強い父と喧嘩をして、勝てる訳がありません。それに、母だって僕を助けてくれた事がありません。何故そんな人を身を呈して助けなきゃならないのでしょうか?
そのうちに母は僕を怒る様になりました。
男の子だから強く育てて私を守ってもらおうと思ってたのに!強ちゃんは弱虫ね!
毎晩酒を飲み、暴れて僕か母を殴り付ける父の暴行がおさまった後、母は僕をこう怒る様になりました。
僕は腹が立ちました。母にも、父にも。
僕は両親の怒りをぶつけるサンドバッグではありません。にも関わらず、両親は僕に理不尽な怒りをぶつけてきます。
だから僕は頑張って、それを回避しようとしました。勉強をして成績を上げました。両親の顔色を常に伺い、親にとって気に食わない行動をしないように心がけました。
しかし、上手くいきませんでした。
成績を上げて95点を取ったのに、どうしてあと5点が取れないんだと殴られ、顔色を伺えばジロジロ見るな気持ち悪い!と殴られ…僕はもうどうでもよくなってきました。
結局両親は、怒るのが大好きなのです。
家族の中で一番立場が弱い僕をネチネチ虐めるのが大好きなのです。
だから僕は吹っ切れました。何をやっても結局怒られるなら、自分の好きな様に生きようと。
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