「叱るという事」 元3年8組 山口強

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僕は両親に堂々と反抗する様になりました。 何かと威張り散らす父親に冷たい目を向けると、何だその目は!と怒られます。殴られる僕に母親が悲鳴を上げ、僕を見詰めます。父を咎めるわけでも、僕を心配し大丈夫?と声をかける訳でもなく、ただ見詰めます。家庭内の空気が悪くなるから、父のいう事聞いてよというオーラを感じます。嫌なこった。 殴られると痛いです。怒鳴られると怖いです。でも、サンドバッグのままは嫌です。 強ちゃんが不良になっちゃったと、ある日母に言われました。親の都合にそぐわない子は不良でしょうか?僕は別に万引きもシンナーも、やった事がない普通の小学生でした。 ただ、親の間違いや行き過ぎた行動に苦言を呈しただけです。毎晩大量に酒を飲む父に飲み過ぎと注意したり、買い物のおつりが多かったのにそのまま貰っちゃう母を諌めただけです。 僕は怒られるばかりの毎日を過ごしてました。いつも体のどこかに生傷がありました。時代が今なら虐待案件でしょう。しかし、僕の時代は親に殴られて育つのが当たり前で、親どころか悪さをしてると近所の人にも怒られる、そんな時代で育ちました。 強ちゃん、お父さんもお母さんも大事にしなきゃダメだよ。外面が良い両親が事実を捏造したのか、近所の人にそう言われる事が増えてきました。悪いのは親なのに。強ちゃん昔は手がかからない良い子だったのに、親困らせちゃダメだよー。事実を知らない近所の人にヘラヘラとそう言われる度、悔しさが湧いてきました。何も知らないくせにと。
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