「叱るという事」 元3年8組 山口強

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浮遊霊のまま、僕は時代の移り変わりを見詰めていました。僕が生きていた昭和から平成になり、令和になった今、怒る事より叱る事が大事だと徐々に人々が気付き始めました。 今や子供が殴られる事は少なくなりました。 今は児童虐待という言葉が世間に広がり、理不尽に子供を殴ると通報されたり逮捕される可能性もあるからです。しかし、それでも子供を殴る事を楽しむ大人も居て、その時は自分の父を思い出して胸が痛みます。死んでしまった子には、冥福を祈ります。次は幸せになれると良いねと。 時代は変わりました。しかし、良い事だけではありません。怒らない、そして叱りもしない親が時代と共に沢山出てきたからです。そんな親に育てられた子供達は自己中心的なモンスターです。 怒らない事は良い事です。しかし叱る事は大事だと思います。叱るのは失敗を責める事ではありませんから。失敗を責めないで欲しい、でも助言は欲しい。生きていた頃の僕の本音です。失敗を親子で乗り越えて欲しいからこそ、叱る事は大事だと思うのです。 君達はまだ、生きています。何度でもやり直せます。悪い事をした子供に必要なのは、怒る事ではなく叱る事です。その手は殴る事にではなく、差し伸べる為に使って下さい。僕は親にそうしてほしかった。僕みたいな不幸な子が増えない為に、みんなに考えてほしいと思います。
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