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作文を読み終えると、僕は一礼をして壇上から降りた。鳴り止まない拍手が心地よい。ここはあの世とこの世の間。僕は生者と死者が入り交じる作文コンクールの小学生死者の部門の代表者だ。成仏出来ずにこの世をフラフラしていたら、先輩の死者からこんなのがあるよと声を掛けられた。生前、別に国語が得意だった訳ではないが、僕の積もりに積もったモヤモヤを整理出来るかもしれないと、参加を決めた。作文を書き始めると、予想以上に筆がのった。書けば書く程心が軽くなった。そして書き上げた作文を他人に聞いてもらった今、凄くスッキリした自分が居た。もうこの世に未練はない。そう思えた。
強、成仏するのは良いけど、俺の作文聞いてからにしな。凄いの書けたから。コンクールに誘ってくれた先輩が僕に笑いかけ、颯爽と壇上に上がって行った。
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