芋煮会をしたいと親父が言い出したらあなたはどうしますか?

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「瑠璃くんもやんない?」  香多くんに呼ばれた。 「瑠璃もやりましょう」  母さんにも呼ばれた。  親父の右に母さんで左に香多くん。正面に俺。 「じゃあいっせのーで」  俺が言うと三方面から親父に芋が向かう。 「はい。親父、あーん」 「はい。おじさま、あーん」 「はい。あなた、あーん」  芋は、親父の左頬と右頬と鼻にくっつく。 「熱っちゃぁぁぁぁぁぁ!!」  と叫びながらも親父はパクパクと全ての芋を平らげる。 「こんな熱さなど母さんの拳に比べたら!」 「はい。いっせのーで」 「親父。はい、あーん」 「おじさま。はい、あーん」 「あなた。はい、あーん」  次はこんにゃく。 「熱っちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! なんか私に恨みあるの!?」 「だって最近、親父大人しいじゃんね?」 「僕、つまんなーい。はしゃぐおじさまが好きなのにーー」 「私はただ単に面白いからだけどね」  母さん、鬼だ。  まあ、和気あいあいとして大成功だよ。まさか伊織先生が無料でやってくれるとは思わなかったけど。  こういうのいいな。母さんも珍しく拳出さなかったし。お兄ちゃんになってからまたお願いしてみようかな?  そうなると親父に四方面からあーんできるよね。  それもまた楽しみだな。 十月に続くよーー!
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