運命を塗り替える

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 そもそも魔法は正しい知識と正しい訓練をすれば誰にでも使えるようになる。それが使えないのは、その人自身の努力が足りないからだ。もしかしたら相性などもあるかもしれないが、それでもそれを理由に努力を怠ることを少女は許せない。  悩んでいるだけなら、その時間を訓練に使えばいい。先生や他の人のアドバイスをもらい励むべきだ。  こういう考えでいると、自分は魔法が使えるから気持ちがわからないだのなんだの言われることもあるが、少女だって最初から上手く使えていたわけじゃない。挫折ぐらいしたことも何度だってある。  けれど、少女は努力をしたのだ。  知識を得れば魔法は誰にでも使える。  ならば自分の頭の中でその知識が頭の中で浮かぶぐらいに叩き込めばいい。  少女は放課後を使ってずっと図書館で勉強をし、寮に帰って寝る間も惜しんで予習復習もして、先生に頼み込んで休みの日だって勉強に付き合ってもらった。  訓練もすれば魔法は誰にでも使える。  ならば考えなくても身体が動くように身体に覚えさせればいい。  少女は勉強の合間の休憩時間でひたすら杖の素振りをした。さらに基礎体力を鍛えるために走り込み、あらゆるトレーニングを行った。そして術を唱えて魔法をひたすらに一定に打ちこむ練習だってした。それでは足りずに外部の講師を呼んで特訓だってしてもらった。  それだけの努力をして、やっと魔法が人並に使えるようになったのだ。  努力をして得たこの魔法を、努力をせずに悲劇のヒロインぶってる人たちに、とやかく言われる覚えはない。
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