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しかし、少女が努力をして得た魔法を、物語一つでニーナに魔法が宿る。
(冗談じゃない! そんなの、努力している人をバカにしている行為だわ!)
そう憤慨しながら少女は小走りからさらに足を速める。
確かに現状ニーナの魔法は開花されていない。このままいけば物語通りニーナは魔法を開花させることだろう。
ふざけるな。
魔法は努力で身につくものだ。そんな意味も分からないことで魔法を得てたまるか。
それなのに、ニーナは何の努力もせずに突然魔法を開花させるだって?
みんなに囲まれておめでとう、なんて拍手されて祝われて?
ちやほやされて? 優しくされて?
(絶対に認めない! 他は認めても私だけは認めてたまるかッ!)
少女は息巻いていた。
半年後、進級試験がある。教師から出される無理難題の課題をクリアし、満点なんて出たことがないと言われる意地悪な筆記試験を乗り越え、自由課題として魔法道具を各々開発し、提出する。大雑把にいうとこんな試験内容だ。
半年後にはニーナも魔法が開花されている時期だ。
しかも聞いた話ではニーナの力が開花された後、元々持っていた魔力量のおかげで学年トップの座に君臨し続けたという。馬鹿な。
努力をした少女の力とぽっと出で開花したニーナの力、どっちが優れているか半年後に思い知らせてやる。努力を馬鹿にするな。
もしニーナの人徳とかで進級できたなんて結果になったら、この魔法学院をぶっ壊してやる。
物語なんかに負けてたまるか。
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