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告白の答え
●○●
こんなに早い時間に学校へ行くのは初めてだ。
こうしてこの時間に出て来たのはもちろん小野山さんに語った理由もあったが、実はもう一つわけがあった。
……早く教室へ行って、仮眠をとりたい。
昨夜姉さんとの通話を終えた後、結局一睡もできなかった。
明け方にはもう諦めて、ミュートにしたテレビを字幕付きで見ていたぐらいだ。
──一つ大きくあくびをしたとき、後ろから走って来る足音が聞こえてきた。
朝から元気だなと思っていたら、走って来たその人物に肩を叩かれた。
「よっ、こんな早くに珍しいな遠坂」
「……杉野」
人の好い笑みを浮かべていたのは、部活用の運動着を着た杉野簾だった。
寝不足なのも手伝って、睨みつけるような表情になってしまっているはずだが、杉野は全く気分を害した様子はない。
「昨日雨すごかったなー。修学旅行のときもあんな天気だったら悲惨じゃね?」
「そうだな」
あまり雑談をする気分にはなれず、適当に相づちを打つ。
「てかオレ沖縄行ったことないんだよな。先輩から聞いたけど、ホテルとかすごい景色良いらしいぜ」
「へえ」
「だからそのホテルが候補の一つなんだ」
「候補?」
「好きな子に告白する場所の候補」
俺は一気に眠気が冷める心地がして、ばっと杉野の顔を見た。
昨夜、小野山さんの好きな人が杉野ではないかと疑ったばかりで、あまりにタイムリーだ。
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